数値目標の掲示を強く主張

――再生可能エネルギーの比率は、原子力発電所の再稼働の成否が決まらないと、設定できないとの議論もある。それとも、再エネだけは、目標値を定めていくのか。

公明党の江田康幸・衆議院議員(党政務調査会副会長)
(出所:日経BP)
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江田 エネルギー基本計画に関する与党のワーキングチームにおける議論が、今回のエネルギー基本計画に反映された。公明党の主張は、公約の通り、可能な限り原子力発電の比率を低減させていくことで、これは政権内での合意、与党間の合意でもある。

 原子力発電の比率を低減するための担保は、再生可能エネルギーの拡大しかない。だから数値目標を掲げるべきだと、公明党が強く迫った。

 政府や経済産業省からは、原子力発電所が1基も再稼働していない状況で、再生可能エネルギーの比率を決めるのは難しいと、徹底して反論された。

 われわれは一歩も引かなかった。原発への依存度を低減させることは、政権合意で、かつ、エネルギー基本計画の共通合意であり、それを実現させていく政策の中で、少なくとも、現段階での方向性を示すべきだと。

 結果的に、政府も自民党も受け入れてくれた。

 こうした意見は、公明党が主張するしかなかったとも言える。自民党の中にも、高い数値目標を示すべきだという意見があるが、それは少数で影響力に限界がある。それに対して、与党の一員として、公明党が強く主張した場合、自民党も対応せざるを得ない。

 粘り強く交渉し、ようやく実現したのが、エネルギー基本計画における、「これまで示した水準を、更に上回る水準の導入を目指す」という表現である。これは大きな意味を持ち、今後のエネルギー政策に重くのしかかってくる表現になるだろう。

 この表現が、何を示しているのか。これまでの水準として脚注に示されていた、「2030年の再生可能エネルギーの比率が21%、発電量で2140億kWh」という数値は、公明党が掲げる「30%」とは、大きく開きがあると感じるかもしれない。

 もう一度、公明党の公約を紹介すると、省エネルギー対策の徹底によって、2030年のエネルギー利用を、2010年に比べて25%削減することがある。

 具体的には、現在の日本の消費電力である年間1兆kWhを、同7500億kWhにする。7500億kWhに対して、30%を再生可能エネルギーで賄うと、2250億kWhになり、参考値の2140億kWhとは、かなり近い数値になっている。

 つまり、再生可能エネルギーについて、「30%」という目標値こそ明確に記述されてはいないが、「25%の省エネ」を考慮すれば、脚注に示された「2140億kWh」を実現すると、実質的に「再エネ比率30%」を達成できるとも言える。