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平均値よりプロセスに注目

 シックスシグマの「シグマ」という言葉は、ご存じの通り統計用語で「バラツキ」を意味する。つまり、シックスシグマとは、業務におけるアウトプットの「バラツキ」をより少なくしていくことで、経営品質を高めていこうとするものである。

 一例を挙げよう。市場で製品不良が発生すると、不良対策の担当者がその症状から要因を推定する。それを担当者が詳細に分析し、同じ症状を再現し得るかどうかを全力で検証していく。

 ある条件でそうした不良の症状が再現できると「それが原因」とばかりに対策案が出され、その対策案を盛り込んだ製品をテスト生産する。そこで問題が再現しないと「これで大丈夫」と判断し、設計の変更、製造部門への検査の徹底、作業者への指導などを実施する。しかし、こうした対策では、しばらくするとまた同じ不良が発生することが往々にしてあるのだ。

 このようなケースで重要なことは、企画、設計、製造、販売、サービスのそれぞれの段階で「このバラツキ(不具合)をどのように想定するか」、そして「それを発生させないために何をすべきか」という点に目を向けることだ。現実は「市場不良率○%」といった平均値でとらえてしまうが、ここにシックスシグマのプロセス思考が重要な役割を持ってくるのである。

 目の前で生じた現象への対症療法では大きな成長は望めない。もちろん問題が発生すればそれに対するアクションは不可欠だが、それに加えて、問題となる「重要プロセス」にも注目し、再発しないように手を打たなくてはならないのである。

 つまり、問題が生じる可能性について十分な知識を持っていれば、プロセスを改善することが可能であり、シックスシグマの手法によってそれぞれのプロセスをしっかりコントロールすることで問題の再発を防げるのである。

 もっとも、シックスシグマの導入/展開/定着は、それほど簡単にはいかないようだ。以下に紹介するように、当社でもその難しさを経験しており、それを乗り越えることで現在に至っている。