ドメスティックニッチメーカーに迫る危機
ドメスティックニッチメーカーは、「保険償還制度による価格設定」や「長い薬事承認プロセス」といった、日本市場特有の参入障壁を背景に、国内では高い市場シェアを維持してきました。しかし、以下に示すような近年の事業環境のさまざまな変化は、これまでのような安定した事業の継続を困難なものにしています。
・医療費抑制に伴う保険償還価格の下落
・医療機関からの価格引き下げ圧力の強まり
・標準化の重要性の高まり
・外資系メーカーと比べた販売量差の拡大に伴う競争力低下
・「リバースイノベーション」製品の登場
ドメスティックニッチメーカーの成長戦略オプション
ドメスティックニッチメーカーが今後も成長していくには、次の3つの戦略がまず検討すべきオプションであると考えます。
(1)グローバルトップメーカーとの販売提携による海外拡販
(2)現地医療機器メーカーとの連携による海外拡販
(3)保有する国内販路での売り上げ最大化
以降では、(1)~(3)それぞれの戦略で成長を実現した日系医療機器メーカーの先行事例を紹介します。