ゴルフ場の開発時に開発許可を取得
「GEとジェマンソン・グループが出資者だけに、プロジェクト開発の書類などはすべて英語。プロジェクトファイナンスも世界基準で進めたため、国内の建設会社や銀行にはなかなか理解が得られなかった」と振り返る。最終的にEPCサービス企業は東洋エンジニアリングに決まり、プロジェクトファイナンスの組成では三菱東京UFJ銀行がリードした。「両社とも、海外でのプロジェクト開発の実績が豊富で、世界基準を理解してくれたのが大きかった」(金當社長)。
起工式が終わり、本格的な土木工事が始まった9月下旬、久米南の建設現場を取材で訪れた。20年以上、放置されていたため、「コース全体に木々が生い茂る状態だった」というが、ホール間の残置林を除き、各ホールに生えていた木々は、すでに伐採、抜根されていた(図3)。「伐採木は、岡山県真庭市のバイオマス発電所の燃料として活用してもらいました」と、パシフィコ・エナジーの成田修久建設部門長は言う。
こうした林地の造成には、通常、林地開発許可制度に従い「林地開発行為許可」を申請し、県市町村から許可を受ける必要がある。その点、ゴルフ場跡地でメガソーラーを開発する場合、すでにゴルフ場開発時に、こうした開発行為許可が得られているため、建設に当たって、用途などの「変更申請」で済むという利点がある。ゴルフ場建設時に、重機などのアクセス道路も確保されているため、こうした既存の進入路を活用できるのも利点だ。久米南町のサイトでも、基本的にはゴルフ場建設時の開発計画に基づき、比較的、平らなフェアウェイに太陽光パネルを設置し、ゴルフ場開発時に決められていた残置林はそのまま残す(図4)。