杭をコンクリートで固める工法を採用

 こうしたプロセスにより、着工前にパネルのレイアウトを完成させていた。掘削して盛り土する量は、全体で約50万m3になることも分かった。しかし、「実際に土木作業が始まると、予想通りに造成できないこともあり、パネルの設置レイアウトは、随時、修正しながら工事を進めている」(成田建設部門長)という。

 建設現場の地層には、計画当初の想定より大きな岩が含まれていることも課題だった。このことは、着工前には分かってきた。実は、全20ホールのうち、練習ホールの2ホール分は、太陽光発電ベンチャーの環境発電(広島市西区)と地元企業2社とで設立した現地法人が先行して開発し、出力2.3MWの「久米南メガソーラー発電所」として、2013年9月運転を開始している(関連記事)。環境発電がEPCサービスも担当した。

 環境発電による「久米南メガソーラー発電所」の建設では、架台にオーストラリアのクリーナジー社製の1本杭タイプの架台を採用した。1本杭の場合、地下深く打ち込む必要があり、基礎工事の際、地中に岩石が多いことに苦労した。環境発電は、パシフィコ・エナジーの開発する、残り18ホールでのメガソーラー建設にも協力している。「パシフィコ・エナジー久米南合同会社」では、1本杭ではなく、前後2本の杭とし、基礎の固定方法に「キャストイン工法」を採用した(図7)。

図7●キャストイン工法の完成図(出所:日経BP)
[画像のクリックで拡大表示]