独自の治具を考案して、杭を固定

 キャストイン工法とは、杭基礎をコンクリートで固める手法だ。久米南町のサイトでは、直径50cm、深さ60cm程度の穴を掘り、治具を使ってその穴に杭を立てておき、コンクリートを流し込んで固める予定だ(図8)。手間はかかるものの、コンクリートで固めるので、地下深く打ち込まなくても、コンクリートの自重と地面との摩擦力が大きくなり、引き抜きに対して必要な強度を出せる。現在、2つのタイプの治具を独自に考案し、試験的に施工している。

図8●独自の治具を開発して杭を固定し、コンクリートを流す(出所:日経BP)
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 国内には、有効に活用されていないゴルフ場跡地は多い。起伏のある土地を最適に造成して再開発のコストを抑制し、プロジェクトファイナンスを組成できれば、30~35MWクラスのメガソーラー事業の可能性が広がる。実際、パシフィコ・エナジーは、久米南町のほか、3カ所のゴルフ場またはゴルフ場跡地で数十MWクラスのメガソーラー開発を進めている。

●施設の概要
発電所名「パシフィコ・エナジー久米南メガソーラー太陽光発電所」
所在地岡山県久米郡久米南町上弓削・塩之内地内
面積約118ha
発電出力(直流)32.256MW、(交流)26.46MW
開発企業パシフィコ・エナジー
事業主体パシフィコ・エナジー久米南合同会社(米ジェマソン・グループ、米ゼネラル・エレクトリックグループによる出資)
EPC(設計・調達・施工)東洋エンジニアリング
土木工事青木あすなろ建設
電気工事旭電業
太陽光パネルインリーグリーンエナジー製
パワーコンディショナー(PCS)東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製
架台ヒルティ製
着工2014年6月
完成予定2016年3月