エネルギー先進国と類似する状況に

――小規模の発電システムによる売電では、FITの動向に大きく左右されるのではないか。

ウエストエネルギーソリューションの恩田英久社長
(出所:日経BP)

恩田 出力規模の小さい低圧の太陽光発電については、FITが一定レベルで継続されるとみている。また、電力小売りの自由化と前後して、蓄電池の導入を促すために、補助金制度が導入される可能性もある。

 ウエストエネルギーソリューションが、自治体に屋根を借りる場合、少ない自治体で10カ所程度、多い自治体では200カ所程度の屋根を借りて、太陽光発電システムを設置する。この際、自治体との間で、災害などの緊急時に、送電網から切り離して、1カ月間程度、自立運転し、公共機関で電力を使えるようにする約束を交わしている。

 その間、ウエストエネルギーソリューションの収益は減るが、当初から1年間のうち1カ月間分、売電がゼロになる前提で、事業計画を立てている。

――災害対応を強化している地方自治体にとって、魅力的な提案だが、一方で、蓄電池を寄付するメガソーラー事業者も目立つ。

恩田 確かに、設置時に非常用蓄電池を1台、贈呈する方が、地元の首長、議員や住民への一時的な受けは良いだろう。しかし、現在の日本で一般的に普及している蓄電池を1台、設置したところで、災害時に現実的な効用は薄い。

 それよりも、自立運転に切り替えられる発電システムとし、災害時にも灯りが途絶えない場所を提供できる方が、地方自治体にとって、より高い効用が得られると思う。

 今後、蓄電池の導入補助制度ができればその時に自治体が蓄電池を導入すれば、より効果が高まる。

――先日、新電力(PPS)として、「ウエスト電力」の届け出を済ませたと公表した。こうした構想の中で、それぞれの地域で新電力を設立していくのか。

恩田 日本の再生可能エネルギー導入の基本的な方向性は、ドイツに類似している。例えば、「シュタットベルケ」と呼ばれる、エネルギー供給など公益的な地域サービス会社の考え方も、日本に浸透するだろう。

 地元の有力企業との合弁企業によって、こうした地域サービス会社をサポートしていきたい。まずは電力の供給を手掛け、その後、ESCOサービスに進化させていきたい。

――ESCOサービスとは、具体的には、エネルギーマネジメント(EMS)を指すのか。

恩田 そうとも言える。エネルギー関連機器単体でなく、それをどのように組み合わせて効率を高めるかが勝負になる。

 完全なオーダーメイドではなく、イージーオーダーのイメージだ。こうした事業は人海戦術的な面があり、手間がかかる。物販だけで勝負する企業は、得意でない。ウエストグループは、開発でも施工でも、常に人の手を加えることが特徴で、ESCOサービスは、こうした強みを発揮できる。