名古屋大学大学院 工学研究科 教授の天野浩氏の帰国後の記者会見の後、2014年ノーベル物理学賞の同時受賞者で天野氏の指導教官でもあった赤崎勇氏(名城大学 終身教授、名古屋大学 特別教授)と共に会見に臨んだ(関連記事)。赤崎氏と同時にノーベル賞を受賞した感想を問われて天野氏は「望外の喜び。今でも夢心地だ」と語り、「大切なのは材料を見極める力。GaNの青色LEDの材料としての可能性を赤崎先生が示したことが今日につながった」と、赤崎氏の功績をたたえた。「天野氏と出会わなければ今日の成果はなかったか」と会場から質問された赤崎氏は「そう思う」と答え、天野氏への信頼感を示した。
天野氏にかかわる印象的なエピソードとして、赤崎氏は天野氏が研究室に配属された時の思い出を語った。pn接合型の青色LEDの前に作製した「MIS型」の青色LEDを会場で見せながら、「今の青色LEDに比べれば暗いものだが、当時は世界最高の効率だった。それを学生たちに見せたところ、一番先に研究室に入りたいと飛び込んできたのが天野氏。私の研究室は当時、割に人気があった。募集期間の前に飛び込んできて『これはどうしたことか』と思ったのが、彼への第一印象」と語った。