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新しい手技や医療機器の開発につなげる

 続く基調講演には、東京大学大学院 医学系研究科 公共健康医学専攻医療科学講座 教授の小山博史氏が登壇。「どこでも先端医療への期待:ICTに求められているもの」と題して講演した。同氏は国立がん研究センターなどで外科医として勤務した経験を持ち、日本VR学会の理事、日本VR医療学会および日本医療情報学会の理事などを務める、VRの医療応用や医療情報のエキスパートである。

東京大学の小山氏
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 小山氏は、超高齢社会を迎えた日本の課題として、生産年齢人口の減少と医療・介護コストの増加を指摘。その解決手段の1つが、ICTを用いた医療技術革新だとした。特に、今後は医療データが「湯水のように生まれてくる中で、ビッグデータを用いた予防医療(predictive medicine)が重要になる」とし、その中核を担う計算病態モデルの開発やその標準化戦略の重要性を訴えた。

 計算病態モデルや、それに基づく手術シミュレーターの開発は、術前計画や術中支援への活用に加え、新しい診断法や手術手技、医療機器の開発にもつながるという。「外科医は常に新しい手技を試したいと願っているが、実際の患者相手にはなかなか試せない。手術シミュレーターはそこに解を与える。手術器具などの開発においても、シミュレーターで事前に使い勝手を試せるメリットは大きい」。手術プロセスなどのモデル化は、医療安全管理の面からも有効とした。