3つの理由で、接続問題を楽観視

――数カ月後に、「保留」が終わり、回答が再開された場合、どのような状況が予想されますか?

鈴木 接続保留が問題になっている5電力のなかで、九州電力とそれ以外では、状況が大きく異なります。まず、北海道電力と沖縄電力は、九電の保留問題の前からすでに「接続限界に達した」と公表して経産省もそれを認めました。両電力会社とも電力系統の規模が比較的小さく、他電力との地域間連系線が細い(沖縄電力はない)ことなどが背景にあります。北電は住宅用を除き、沖縄電力はすべての容量について一定の条件付きでしか、新規の接続協議に応じていません。

 また、四国電力と東北電力は、九電ほど切迫した状況ではなく、やや便乗的に「保留」に踏み切った面もあるとみています。とはいえ、対応が後手になって批判された九電を「他山の石」として早めに手を打った、という意味では、理解できます。

 では、最も深刻な九電について、保留が解除された後にどのような状況になるのか。「接続可能量」が技術的にどのくらいなのかは、新設された「系統WG」で検証されていくでしょう。JPEAでは、技術的な接続可能量の論議とは異なる3つの視点から、いま直ちに「接続停止」に踏み切る必要はないと見ています。

 まず、1つ目は、九電管内の太陽光の設備認定量(2014年6月末時点で約1790万kW)が低負荷期の電力需要(約800万kW)を上回ったと言っても、設備認定のすべてが実際に稼働することはありません。設備認定された中には、買取価格の権利確保だけを目的にしたものも含まれており、こうした案件は、今後、「取消」や「断念」に至るものも相当数、あると見ています。

 JPEAでは、こうした稼働に至らない案件を除いた容量を「実質の設置想定量」として、全国ベースの数値を今年8月に推定しました(図1)。つまり、稼働する可能性の高い“真水”です。2012年度の太陽光の設備認定量(約20GW)のうち「真水」は約14GW、2013年度は同45.6GWのうち真水は約31.6GWに減ります。この「真水」の算定には、系統制約で実現しない分も含むので、実際の稼働量はさらに減ります。現在、JPEAでは、九電管内に絞った真水の推定値を公表する準備を進めています。

図1●設備認定量と実質設置想定量試算の推移(単年度・累計)(出所:JPEA)
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