パワコンの直接制御など、新技術に期待

鈴木 2つ目は、時間軸の視点です。設備認定量の真水分が、一斉に建設され、稼働することはありません。国内での太陽光発電設備の施工能力や設備の供給力には限界があるため、年間に8GW程度ずつ、今後、3~4年に均されて導入が進むことになると見ています。つまり、実際には3年ぐらいかけて、系統連系の新ルールや系統安定化のための新技術などを検討して導入する余裕があります。

 発電電力量に占める再エネ導入量(水力を除く)では、ドイツやスペインの20%以上に対し、日本ではわずか2.2%程度に過ぎない段階で、すでに接続問題の議論が起きています。その背景にはもちろん電力系統の構造の違いもありますが、欧州では系統制御に新技術を導入しています。代表的なものが、再エネ発電所の直接制御です。電力会社の中央給電指令所が、メガソーラー(大規模太陽光発電所)などのパワーコンディショナー(PCS)にアクセスし、力率や出力を需給調整のためにリアルタイムで直接、制御できます。

――実際、東芝三菱電機産業システム(TMEIC)など、海外市場で実績のあるPCSメーカーは、国内に設置する場合にもすでに外部から遠隔制御が可能な機能を備えている機種も設置していると聞きます。

太陽光発電協会(JPEA)の鈴木伸一事務局長(出所:日経BP)

鈴木 こうした遠隔制御の技術は、PCS側にあらかじめ受け口さえ用意しておけば、短期間で対応が可能です。仮に真水分が接続可能量に近いとしても、実際にすべてが稼働するまでに3年程度の余裕があれば、こうした新技術を導入することも十分に可能です。

 3つ目は、月別、日別、時間帯別の視点です。時間帯別に細かく電源構成を分析していった場合、仮に真水分のすべてが稼働しても、実際に出力抑制が必要になる日数は、30日以内に収まる可能性もあります。現在でも、制度上、電力会社が再エネ事業者に補償せずに30日まで出力抑制できる「30日ルール」があります。再エネ事業者は、これを前提に事業性を確保します。ただ、「接続上限」を超えた場合、電力会社は30日を超えても無償で出力抑制することを条件に接続する仕組みが認められ、北電管内では実際に導入しています。

 時間帯別に精査して、30日以内に収まる可能性が高ければ、発電事業者の事業性を損ねずに導入できることになります。

 こうした3つの視点を考慮すれば、いまこの時期に急いで「接続停止」しなくても、容量的にも時間的にも、まだ余裕があります。かりに今、拙速に接続を停止した場合、3~4年後に、「まだまだ再エネの接続枠はガラガラ」で、「数年前の騒ぎはなんだったのか」という事態になることも、十分にあり得ると思っています。