「9月末には2000万kWを超えた」

――保留中の案件を持っている発電事業者は、回答再開後、接続できる“空き”がどの程度なのか、知りたいところです。高圧・特別高圧では、「系統連系承諾通知」を受領すれば接続できるとのことですが、同承諾通知はどのくらい出したのですか。

能見 接続契約申し込み分のうち、承諾通知を出したのは約330万kWです。接続済み分の約390万kWと合わせると、それだけで約720万kWに達します。今後、政府の設置した系統ワーキンググループ(WG)の場で、九州管内の接続可能量が定まれば、そこに達するまで、受付順に従って、回答していくことになります。

――九州の太陽光・風力の設備認定量が1787万kW(5月末)であることを考えると、保留が解除された後も接続できない事業者が相当数に上りそうですね。

九州電力・能見和司執行役員・経営企画本部副本部長

能見 FIT前に接続した分を含めると九州で、接続済み、接続契約申し込み済みの合計(1260万kW)に加え、接続契約申し込み前(接続検討分)も合わせると1960万kW(7月末時点)になります。9月末には2000万kWを超えました。これは軽負荷期の昼間需要(約800万kW)はもとより、夏場のピーク需要である1600万kW(2013年夏季)をも大幅に超えます。九州の設備認定量がいかに膨大か分かると思います。すべてを接続することは不可能です。

――系統WGでの接続可能量の算定には、電気の使用が少ない時期の昼間需要である約800万kWをベースに検証が進むことになりますか。

能見 軽負荷期の昼間需要である約800万kWはあくまで需要であって、供給側には再エネ以外のベース電源なども含みます。約800万kWすべてに再エネを受けられ入れられる訳ではありません。九電では、従来から再エネが約700万kW導入されるとの計画を立て、それでも安定的に電力供給できるよう準備を進めてきました。700万kWが上限というわけではありませんが、700万kWでもかなり挑戦的な接続量だという認識です。