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講演する金澤氏
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重粒子線治療や体外診断用機器で攻勢

 「診断・治療」では、東芝メディカルシステムズが手掛けるX線CT装置やMRI、超音波診断装置などの画像診断装置が主力だ。国内では市場シェア首位だが、世界では第4位。「2位や1位になるべく努力している」。

 今後は、オンコロジー(がん)を中心に治療にも力を注ぐ。その中心的な取り組みの1つが、重粒子線治療装置である。放射線医学総合研究所(放医研)に1台を納入済み、神奈川県立がんセンターから1台を受注済みであることに加え、計画中の案件が国内と海外で2件ずつあるという。重粒子線がん治療は患者の自己負担額が約300万円と高価なことから「誰でも受けられる治療にするべく、装置の低価格化や小型化に取り組んでいる」。

 さらに、次世代の診断技術として「IVD(体外診断用機器)、すなわちバイオの領域に踏み込んでいく」とした。DNAチップによる検査システムがその一例である。現在、食中毒の原因物質の検出や食品偽装対策などの用途開拓を進めており、2014年度下期に製品を市場投入する。将来はペット業界や化粧品業界にも展開できる可能性があるという。