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新しい器のコンセプト、OSORO

 最近の事例をご紹介していきます。最初は鳴海製陶が立ち上げた新しい食器の提案、「OSORO」です。鳴海製陶は日本の有名な製陶会社ですがB2Bが多いためか、一般消費者にはあまりなじみがありません。半面、世界中のホテルやレストランではその美しいボーンチャイナが有名なブランドとして、とても愛されています。

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 日本国内の陶磁器市場はこの10年で半減以下の縮小というひどい状態になっています。昔は黙っていても売れる時代がありました。私たちの親の世代では、高価な洋食器を揃えることが一つのステータスだった時代がありました。ところがそういう時代はとっくに終わり、いつの間にか家の中から高価なディナー皿は消えてしまいました。今の若い人に聞くと、ちょっとおしゃれな人でも無印良品かIKEA、中には百円均一で買ってきましたという人もいます。

 もはや洋食器を高級品というコンセプトで売っても、それが通じる時代ではありません。10数年前から日本の景気は悪くなって、百貨店の売り上げもずるずると落ちてきました。製陶産業の衰退は、百貨店に依存してきた、というところにも原因があります。自分たちで次のビジョンを描いたり、新しい戦略を練りあげることがなかった。そこで、ちゃんと自分たちで未来を考えよう、と始めたのがこのプロジェクトなのです。