土地の制約で置き基礎を採用

 建設地は、旭硝子では2番目に長い歴史を持つという、北九州工場の産業廃棄物の処理場である。埋め立てを終えた後の浄化期間中で、建物の建設や人の立ち入りなどの制約がある。メガソーラーは、その有効活用の一つになる。

 響灘地区は、旭硝子のほかにも、新日鐵住金や日本コークス工業、電源開発などの工場や事業所、廃棄物処分場のほか、北九州エコタウンの実証実験場などが立地していることで知られる。

 最近では、広大な土地を生かして、メガソーラーや風力発電所の集積地となっている(メガソーラー探訪の関連記事1同関連記事2)。

 今回のメガソーラーにも、廃棄物処分場跡ならではの特徴がある。埋め立てを終えた後の廃棄物の上に築いた盛り土に、雨を浸み込ませて土地を浄化するプロセスを妨げないように、土地の改変に制約があるためである。

 例えば、土地を深く掘って工事できないため、一般的なメガソーラーのように、土地を掘り込んでコンクリート基礎を据えつけたり、杭基礎を使うことができず、コンクリート2次製品による置き基礎を使った。

 海岸沿いに立地するため、外周部では、横幅の広い置き基礎を使い、より強い風圧に対応できるようにした(図3)。

図3●外周部には横幅の広い置き基礎を使い、より強い風圧に対応
右が外周部の置き基礎。左との横幅の差がわかる(出所:日経BP)
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