1人で運べ、パネルの設置も容易にしたFRP架台
一方、FRP架台は、軽量で、かつ、耐久性が高く、施工性の高さを特徴とする(図7)。軽量さと耐久性の高さは、FRPという材料そのものが持つ特徴である。FRPは、軽くて強く、腐食や錆びに強い。塩害が懸念される海岸沿いなど厳しい環境でも、優れた耐久性を実現できる。
施工性の高さは、成形による形状の自由度が高いというFRPの特徴と、NTTファシリティーズが持つ施工のノウハウを融合して実現した。
太陽光パネルの左右を固定する「垂木」に凸部を設けた断面形状とし、この凸部をガイドに使うことで、太陽光パネルの位置決めを容易にした(図8)。位置決め後に、架台の上部から下部にスライドさせるだけで、パネルを設置できる。
パネルの配線は、位置決め後、スライドさせる前に接続する。従来の架台を使った場合のように、地面近くに潜り込むことなく、立ったまま自然な姿勢で配線できる。
FRP架台の部材は、軽量のため、作業員は1人で運搬できる。両面ガラスのパネルも、約21%の軽量化によって、1人で運搬できる。このため、クレーンを使う作業や、2人一組による作業が減った。
さらに、パネルの設置を容易にしたために、架台とパネルの設置作業を短縮化できた。中でも、雨天後の作業の効率性が大きく増した。この効果によって、悪天候が続いて遅れていた施工の進行ペースを、架台とパネルの設置工程で取り戻せたという。