メーカーに交換を要請する“新兵器”

 3つの評価項目のうち、EL検査は、通常、パネルを取り外して暗室で行うのが一般的だったが、ドイツ・シュツットガルト大学の研究グループが屋外で使えるポータブルタイプの検査装置を開発した。日本では、エヌ・ピー・シー(東京都荒川区)が輸入契約を結んでいる。ソーラーワークスは、この可搬タイプのEL検査装置に目を付けた。

 全数を簡易診断した結果を受け、2日目には、重大な欠陥が疑われる太陽光パネルについては、架台から外し、ドイツ製「PVテストカー」を使って、工場出荷状態でIVカーブトレーサーやEL検査をオンサイトで実施した(図4)。「PVテストカー」は、今回の定期検査に活用しつつ、今後のO&M手法の付加価値を高めるため、八街市の発電所まで運転して持ち込んだ“新兵器”だ。

図4●ドイツ製のPVテストカーをサイトに持ち込んだ(出所:ソーラーワークス)
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 現在、太陽光発電所の保守で、大きな課題になっているのは、ストリング監視などで出力低下が疑われるパネルを見つけても、メーカーが容易に交換に応じないことだ。設置済みのパネルの出力は、日射量や温度によって時々刻々と変化するため、工場出荷時にJISやIECなど国際規格に基づいて測定した最大公称出力と比較できない。

 従って、メーカーの掲げている出力保証の条件に基づいて、交換を求める場合、パネルを架台から外して、国際規格に基づいて出力を測定できる施設まで運ぶ必要がある。そうなると、その間、発電量が減るとともに、検査費用も大きくなる。明らかな出力異常であればともかく、「疑わしい」レベルでは、なかなか外してまで検査できないのが実態だ。