「スネイルトレイル」を発見、経過を見守る

 同社は、太陽光発電サイトを評価して良否を判定し、さらに今後の改善対処法についてアドバイスするO&Mサービスを始めた。「従来、太陽光発電所のO&Mサービスというと、『24時間の遠隔監視』と『アラート(警報)が発信された際の駆けつけ』が主要なメニューだった。従来の“救急車的な”サービスではなく、予防的な観点に立った“人間ドッグ”のようなO&Mを提供したい」と、池田社長は言う。

 「計測→分析→評価→行動(問題があった場合の対処)」というステップを踏むことで、太陽光発電所オーナーに的確な評価と改善方法をアドバイスしたいという。具体的には、計測データを分布図にして、閾値基準を決めて、良否を判定する。“黄信号”と“赤信号”を判定し、今後の改善対処法について検討し、提案するという。「従来の太陽光発電所の査定サービスでは、計測データだけのレポートで良否判定をしなかったり、改善対処法まで提示しないことが多い」(池田社長)という。

 八街市で実施した、全パネルの検査と、PVテストカーを使った簡易診断は、こうした「改善対処法のアドバイス」まで踏み込んだO&Mに必要なデータ収集となる。今回の八街市サイトの定期診断では、幸い、メーカーに交換を求めるような不具合は見つからなかったものの、複数のパネルに、「スネイルトレイル」が見つかった(図10)。

図10●スネイルトレイルの例(出所:ソーラーワークス)
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 「スネイルトレイル」とは、太陽電池セル(発電素子)表面が線状に色が濃くなり、カタツムリがはった跡のように見えることからこう呼ばれる。もともとあったクラックなどが原因とされる。初期段階では出力に影響しないものの、将来的に不具合として顕在化する可能性もある。「PVテストカーによる検査データを蓄積していくことで、こうした初期症状を重点的に経過観察できる。定期検査によって、早期に異常を発見し適切に対処することで、深刻な発電ロスを未然に防げる」と池田社長はみている。