バイパスダイオードで不具合セルを含むクラスタを回避
そこで、1枚の太陽電池セルが、全体に悪影響を与えないように、クラスタと呼ばれる組を構成し、万が一、太陽電池セルの電流が流れなくなった時に、クラスタごとバイパスダイオードで迂回させる工夫が施されています。
迂回したクラスタ以外は正常に発電するため、パネル全体に悪影響を与えることなく、出力の低下を抑えることができます(図2)。例えば、1枚のパネル内で、太陽電池セル60枚が直列接続されている場合、1クラスタ当たり20枚とし、3クラスタで構成されます。
今回は、こうした結晶シリコン系太陽光パネルの製品不良を、発電開始前の竣工検査における、ストリング(太陽光パネルを直列接続した列)の開放電圧の測定によって発見した事例を紹介します。
この不良を発見したのは、出力1.3MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)でした。太陽光パネル14枚を直列接続し、1つのストリングを構成していました。ストリングごとの開放電圧を測定していると、他のストリングに比べて、11V程度低いストリングがありました。