2014年12月、トヨタ自動車が世界で初めて燃料電池車を一般向けに販売します。日経エレクトロニクスは、これまで燃料電池車のニュースや技術を追いかけてきましたが、今回一般向け販売にあたって、燃料電池車の技術や業界動向をまとめた記事を特別に公開します。
 本記事は、日経エレクトロニクス2011年9月19日号に掲載した特集「燃料電池車は消えたのか?」から抜粋したものです。肩書などは当時のままです。

1995年にカナダBallard Power Systems社が燃料電池を搭載したバスを試作したのをきっかけに、自動車メーカー各社は燃料電池車の開発を活発化させた。そして2002年12月、トヨタ自動車とホンダが発売した燃料電池車のリース販売第1号に小泉純一郎首相(当時)が試乗し、一気に燃料電池ブームを迎える。ところが、その後は電気自動車ブームの到来とともに、燃料電池車はすっかり影を潜めてしまう。それでも、燃料電池車の火は消えてはいなかった。コツコツと技術開発を続け、さまざまな課題をほぼ解決しつつある。そして、2015年の市場投入をきっかけに、燃料電池車は普及への道を歩み始める。

Contents