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 エネルギーをどれだけ省いてデータセンター(DC)を運用できているか――。それを示す指標の国際標準化作業を、ISO(国際標準化機構)とIEC(国際電気標準会議)が進めている。

 2014年9月、日本が起案していた指標の一つが、国際標準のドキュメント作成に入ることの承認を受けた。同5月には同じく日本発の指標が二つ承認を受けており、早ければ合計三つの指標が2015年秋から2016年春にかけて、「ISO/IEC 30134-3(REF)」、「ISO/IEC 30134-4(ITEEsv)」、「ISO/IEC 30134-5(ITEUsv)」として国際標準となる見込みだ。日本生まれの指標が世界的な基準になることで、日本の事業者が国内外で展開するDCを海外顧客に売り込みやすくなったり、電力効率が高いとされる日本のICT機器を販売しやすくなったりといった効果が期待できるという。

「PUEは限界に来ている」

 三つの指標の内容は次のとおりだ()。REF(Renewable Energy Factor)は、DCが調達している再生可能エネルギーの量をDC全体の消費エネルギーで割った値。太陽光や風力などで発電したグリーン電力をどれだけ利用しているかを示す。

図●データセンターの省エネ性能を示す日本発の3指標
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 ITEEsv(IT equipment Energy Efficiency for servers)は、サーバー機器の総最大能力をサーバー機器の総最大電力で割った値で、いかにエネルギー効率の高い機器を導入しているかを反映する指標だ。

 ITEUsv(IT Equipment Utilization for servers)は、全サーバーの平均CPU利用率である。いかに効率よくサーバー機器を利用できているかを示す。