2段階で建設全体を効率化する新構造の架台を設計

 FRP架台は、大きく二つの段階に分けて開発した。第1段階では、既存の構造の架台をFRPで構成した。第2段階では、FRPの特性を生かすために、新たに設計した構造の架台を作成した。この二つの架台の設置から、作業効率などの違いを検証した。

 「エネ・シードひびき太陽光発電所」では、約20MWの設備のうち、最初に施工した約10MWでは、既存の構造の架台をFRPで構成し、樹脂製バックシートによる従来型パネルを支えた。

 後から施工した約10MWでは、FRPの特性を生かした新設計の架台を採用し、「両面ガラスパネル」を設置した。ただ、両エリアとも、アルミフレームを接点に使って、架台に固定した点は同様である。

 既存構造の架台を、鉄製からFRP製に変えた段階では、腐食への強さ、軽さ、変形しても戻りやすいといったFRPの特性が架台としてどのように生かされるか、鋼製架台と比較することで検証した。

 「変形しても戻りやすい」とは、鉄などの金属の場合、力を加えて変形させると、元に戻らない塑性変形を生じるのに対し、FRPはさらに力を加えれば、元の形に戻せることを指す。架台に使った時に、壊れにくい特性として生かせる。

 一方、新構造の架台では、FRPの製造工程までさかのぼり、成型しやすい形状や成型の難しい形状、製造コストを削減できる形状などを理解した上で、架台とパネルの設置作業を効率化できる設計を目指した。

 新構造の架台では、FRPの厚みを、成形性や強度を考慮して4~6mmに決めた。この厚さより薄くなると、ガラス繊維の投入量に相応した強度物性を発揮しなくなってしまうことがあるからだという。AGCマテックスのノウハウを生かし、部材の耐久性や強度試験を重ね、最終的な厚さや形状を決めた。

 鉄製に比べて、材料が軽くなるため、架台の組み立て作業も効率化している。例えば、従来は2人で運んでいた部材を、1人で運べる。