まず、2009年に、ドイツのエネルギー関連企業のGEOSOL Beteiligungsgesellschaft社を買収し、欧州で太陽光発電所の開発や売電事業を開始しました。
当時の日本には、売電事業に取り組む企業は、ほとんどありませんでした。そのような中、意外なことに、ドイツでの買収を知った宮崎県から、県内への太陽光発電所の建設を要請され、状況が一変しました。
宮崎県は、太陽光発電の導入促進によって、エネルギー自給率を高めようとする「みやざきソーラーフロンティア構想」を掲げており、その一つにメガソーラーの誘致がありました。
ドイツで先行して太陽光発電事業の経験を蓄積しておき、その後、日本でも事業を成功させようという目論みだったのが、この要請を受けることで、2009年に、日本でも「宮崎ソーラーウェイ」を設立し、結果的に、ドイツと日本で同時に太陽光発電事業に着手することになりました。
宮崎県では、鉄道総合技術研究所が所有する、リニアモーターカー実験施設の高架に太陽光発電システムを設置し、2011年3月に発電を開始しました。
全長約7kmの高架のうち、南側の約4kmを借り、発電システムを設置しました。北側の約3kmは、東北大学などが次世代型鉄道の研究に使っています。
宮崎ソーラーウェイの出力は約1MWで、電力関連企業以外が持つ発電事業用の太陽光発電所としては、当時、国内最大規模でした(図2)。