プロジェクトボンドで有利な資金調達を実現

――銀行からの融資ではなく、負債部分を債券化してプロジェクトボンドとして直接、機関投資家から資金調達する手法も活用していますね。

渡邉 プロジェクトファイナンスによる融資を受けられるメガソーラーの中で、さらに、格付けに耐えられるような好条件の案件では、格付けを得た上で、プロジェクトボンドという形で資金調達しています。

 メガソーラーごとに異なりますが、条件の良いメガソーラーならば、より有利な条件で資金を調達できます。こうした手法を選択するための目利きが、日本アジアグループの強みです。グループ内に金融サービス企業があるため、ファイナンス関連の実務経験者をメガソーラーの開発陣の中に加え、多様な手法による資金調達を可能にしています。

 プロジェクトボンドを活用したメガソーラーは、国内ではまだ少ないですが、われわれは既に2件取り組んでいます。そもそも、プロジェクトファイナンスを、多く活用している発電事業者が限られています。例えば、大手企業の場合、信用力に優れるために、こうした工夫をせずに資金を調達できます。

渡邉 和伸氏
日本アジアグループ 取締役経営企画部、財務部、財務開発部、コーポレートコミュニケーション部管掌(出所:日経BP)

――プロジェクトファイナンスによるローンよりも金利が低くなるものの、そこまで使いこなせる発電事業者が少ないということでしょうか。

渡邉 不動産などのアセットマネジメントの事業の経験がないと、格付け機関や金融機関との交渉は難しいと思います。

 こうした人材のほか、さらに、金融機関が認める条件で事業を実現できるように、地主やEPC(設計・調達・施工)サービス事業者などと、条件を詰めていける人材も必要です。