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指のダイナミックな動きも

 この他、心電センサーと同様の要領で、ひずみ量を配線の抵抗値変化からとらえるセンサーを開発。人の指の表面に貼り付け、指のダイナミックな動きを測ることに成功した。20%程度のひずみが繰り返し加わる測定だが、劣化なくひずみ量を測れたという。従来のひずみセンサーは「感度を競っていたが、実際は(今回開発したような)壊れないひずみセンサーこそが求められている」(染谷氏)。

ひずみセンサーで指の動きを測定(出所:東京大学)
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 実用化への課題については大きく3つを挙げた。(1)かぶれない、炎症を起こさないなど、生体への快適性のさらなる向上、(2)動きや温度のある生体環境における、信頼性や安定性の向上、(3)電力供給や無線通信など、システム化に向けた周辺技術の開発、である。

 今回の成果は、科学技術振興機構(JST)の戦略的創造研究推進事業 総括実施型研究(ERATO)「生体調和エレクトロニクスプロジェクト」で得たもの。2014年12月19日(英国時間)に、英国科学誌Nature Communicationsに掲載された。論文タイトルは「A strain-absorbing design for tissue-machine interfaces using a tunable adhesive gel」。