制御用信号の影響による焼損を避けるため、零相変流器を使わず

 LGRは、PCSが連系運転した直後と、停止操作直後に動作しました。このため、PCSに異常が生じている可能性もあると考えましたが、PCS本体にエラーは表示されていませんでした。

 原因について、いろいろと考えを巡らせていると、以前、他のPCSメーカーの注意事項として、漏電遮断器(ELCB)を使わずに、配線用遮断器(MCCB)を使うこと、B種接地線は設けずに、混触防止版付の変圧器を使うことなどが指定されていたことを思い出しました。

 PCSの取扱説明書や入手した資料を読み返したところ、PCSメーカーからの通知として、「ZCTを設けないこと」が記されていました。

 念のため、ZCTを設置しないとする理由をPCSメーカーに確認したところ、「PCSが送っている、周波数3kHzの制御用信号の影響によって、ZCTが焼損した事象を確認しているため」との回答でした。

 この制御用信号は、単独運転の検出(能動式)や発電電圧の同期などのために、PCSが送っているものです。

 この回答から、制御用信号の電流をZCTが誤検知し、LGRが動作したことが想定できました。そこで、PCSメーカーに確認した結果を施工業者へ説明し、ZCTを撤去してもらいました。

 今回、紹介した例のように、太陽光発電では、導入する設備のメーカーや機種の違いによって、一般的な施工の方法では対応できない場合があります。こうした情報を、点検の従事者の間で共有し、知見を蓄えていくことの重要性を改めて感じた例となりました。

(次回は、2015年1月15日(木)に掲載予定)