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 2014年4月には世界で初めて炭素繊維強化樹脂(CFRP)を車体の主要骨格に採用した量産車が日本でも発売された(関連記事)。ドイツBMW社の電気自動車「i3」である(図1)。

図1◎BMW社の電気自動車「i3」の基本構造
上部骨格にCFRPが使われている。下部骨格はアルミニウム合金
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 i3の価格は499万円(レンジエクステンダーなし車種)。これまでCFRPが主要構造部材に採用されたのは価格が数千万円のスーパーカー。生産台数も限られていた。一方、i3は量産車。つまり、CFRPは量産車に使えるほど、費用対効果が高まってきたことを意味する。BMW社は今後もクルマの構造部材にCFRPを積極的に活用していく方針である。2014年9月から日本での納車が始まったプラグイン・ハイブリッド車「i8」にも同じ構造の骨格を採用している。

 CFRPの特徴は、質量当たりの強度および剛性が高いことだ。CFRPを活用した場合のクルマの軽量化効果を、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が試算している。鋼を主構造材とすると車両重量は1380kgだが、CFRPを多用することにより410kg(約30%)の軽量化が可能になるという。その結果、22.5%の燃費改善が見込める。

 世界的に燃費規制が進む中、22.5%の改善は自動車メーカーにとって大きな魅力。i3の車両重量は1260kg。2次電池の搭載などで通常は重くなる電気自動車でありながら、一般的なエンジン車(約1400kg)よりも140kg程度軽い。i3はさまざまな軽量化技術を駆使しているが、最大の効果を発揮したのはCFRPの骨格への採用である。