パネル設置場所の海抜の差は160m
EPC(設計・調達・施工)サービスとO&M(運営・保守)は、関西電力グループの関電エネルギーソリューション(大阪市)が担う。太陽光パネルは、韓国・LGエレクトロニクス製の単結晶シリコン型(265W/枚)を13万1000枚敷設した。
土取り跡地の地権者は約50人。2000年に換地を完了した後、跡地利用について、地権者と寄神建設、関係自治体が協議を重ねてきた。2011年8月26日に固定価格買取制度(FIT)が国会で成立し、これと相前後して「淡路環境未来島構想」が出され、その中で「再生可能エネルギーによる電力自給率の向上」が掲げられていた。メガソーラーの検討が始まり、豊富な日射量から、太陽光発電に適していることも分かり、建設が決まった。
「淡路貴船太陽光発電所」の特徴は、大規模な造成工事をせず、海抜60~220mまでの棚段状の土取り跡地をそのまま利用したことだ。そのため13万1250枚もの太陽光パネルは、大きく8つのエリアに分けて設置した。内陸から海沿いに抜ける道を下っていくと、複数のサイトを順番に眺められる。海岸に近い下のエリアと最も上のエリアとの海抜差は約160mもある(図3)。
また、土取り跡地を造成しない方針だったため、杭基礎でなく、コンクリート製の置き基礎を使った。3列・7段に組んだパネル21枚からなる1アレイ(設置する際のパネル群の単位)ごとに架台に取り付け、4つのコンクリート二次製品の置き基礎で固定した。設置高は下側で1m、上側で2mとし、設置角10度で架台に取り付けた。アレイの数は、全部で6250になるので、置き基礎のコンクリート二次製品は2万5000個を使用した(図4)。