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 政府は成長戦略の一環として、公的保険外の健康・予防サービスを通じた国民の健康増進、医療費の適正化、新しいサービス産業創出の育成方針を打ち出している。その事業環境整備の1つに掲げているのが、観光資源などと結びつけたヘルスツーリズムや観光ウォーキングだ。

 こうした動きを背景に、第34回医療情報学連合大会(2014年11月5~8日)では、医療情報学の視点で健康増進やヘルスツーリズムをサポートするシステム基盤の構築についての研究発表が行われた。

「どこの誰か」と「同じコース」で競争

 生活習慣病の予防や健康増進のためには継続的なウォーキングなどの軽運動が奨励されているが、継続して取り組むモチベーションの維持が課題となっている。まず、兵庫県立大学大学院応用情報科学研究科(ヘルスケア情報科学コース)の竹村匡正氏は、モチベーション維持のために、モバイル端末とゲーミフィケーション(ゲームデザインの技術やノウハウをゲーム以外に応用する取り組み)を用いてウォーキングをサポートする観光・健康情報サービス基盤構築の研究発表を行った。

兵庫県立大学大学院応用情報科学研究科ヘルスケア情報科学コースの竹村匡正氏
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 竹村氏は、このサービス基盤構築の研究動機を次のように述べた。「ゲーミフィケーションとSNSを組み合わせて、自分の過去のデータと比較したり、(SNS上の)他の人のデータと競争したりすることでモチベーションを高めることができるのではないか。その要素として健康ウォーキングにフォーカスし、さらに観光に結びつけることで、モチベーションの高揚と観光産業の振興につなげることも可能だろう」。

 同氏は、「Nike+」などのようにユーザー自身の走った距離を比較競争するのではなく、経路情報を利用して「どこの誰か」と「同じコース」で競争できることを目的とした。そのために、神戸ポートアイランドを対象としてすべての交差点をノードとして設定。ノード間での速度を比較競争する仕組みを構築した。また、観光スポットやレストラン、トイレ、段差の有無などの観光情報や安心・安全のための情報なども取り込み、ユーザーのニーズに応じて提供する仕組みも実装した。