周辺住民に非常用電源として開放

 「コミュニティソーラー」は、災害時などに電力会社の送電系統が停電した場合、Fujisawa SSTなど周辺住民に非常用電源として開放する。出力10kWの自立運転機能付きのパワーコンディショナー(PCS)を11台導入しており、自立運転時は、日中晴れていれば1台約2kWを供給できる。パネルの裏側をのぞくと、10kWごとに100Vの非常用コンセントが付いているのが見える(図6)。電力系統が停電したら、PCSを自立モードに切り替えることで、ポータブル蓄電池や携帯電話などを充電できる(図7)。

図6●太陽光パネルの裏には非常用コンセントがある(出所:日経BP)
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図7●災害時には「コミュニティソーラー」を非常用電源として開放(出所:パナソニック)
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 こうした道路沿いの公共用地を市が民間企業の売電事業のために貸し出すことは極めて珍しいという。これが認められたのは、「単に売電事業だけでなく、非常用電源という公共性の高い機能であることを、藤沢市が評価してくれたから」と、パナソニック・インキュベーション企画グループの大田法正・藤沢SST推進チーム参事は言う。