防災拠点に10日間、電力を供給
災害時にこうした非常用コンセントに電気を供給するのが、太陽光パネルと非常用ガスエンジン発電機だ。災害時に電力会社の系統が停電した際、パワーコンディショナー(PCS)を自立運転に切り替え、電気を供給できるようにしたメガソーラーは多いが、非常用のガスエンジン発電機も併設するケースは極めて珍しい。
太陽光発電設備の出力1.5MWのPCSのうち、500kW分に自立型機能を備えたタイプを導入した。また、非常用ガス発電機は12kVAの発電能力を持つ。災害用バルクには300kg(150m3)のLPGを貯めておき、非常用発電機に燃料を供給する。LPG300kgは、一般家庭用のボンベ(50kg)の6本分に相当する(図9)。
「災害時に系統電力が停電した場合、300kgのLPGがあれば、太陽光とガスエンジン発電機で10日間は防災拠点として必要な電気を供給できる」と、TOKAIグループのザ・トーカイ(静岡市)の竹内康博・住環境エンジニアリング本部設備工事部参事は言う。事前のシミュレーションでは、供給電力の約8割はガス発電機からの供給になるという。LPGは発電燃料のほか、災害時には暖房や調理用にも使えるようにした(図10)。