日が落ちると太陽光からガス発電機に切り替わる
地域の防災拠点となった場合に備え、発電所内の倉庫に、テントのほか、炊飯器や二重巻きコンロ、ガスストーブなどの燃焼器も備蓄している。災害時に、電気とLPGの両方を使って炊き出しや暖を取ることができる。
実際に災害が発生したら、以下のような手順で運用する。最初に、地震などでLPG関連設備に異常がないか、点検マニュアルに沿って確認し、不具合が見つかれば復旧する。次に手動でPSCを自立運転モードに変え、接続をキュービクル(受変電設備)から非常用配電盤に切り替える(図11)。その上で、非常用ガス発電機を稼働させ、PCSに自立運転の起動に必要な電気を供給する。
PCS起動後は、日中晴れていれば太陽光の発電電力を優先的に活用し、雨天や曇天、夜間に太陽光の発電量が十分でない場合、エンジン発電機が稼働して、コンセントにつながっている負荷(EVやパソコンなど)に追従して電力を供給する。非常用電源が使える状態になると、サイトの入り口付近にある回転灯がオレンジ色に点灯する(図12)。
非常用ガス発電機の送電線は非常用分電盤につながっており、非常用コンセントに電力を供給する。非常用ガス発電機は、デンヨー製を採用した。同社製の非常用発電機には、系統電力が停電した場合、自動的に起動する機能を備えた製品があり、今回はそのシステムを応用した。太陽光からの電力を系統電力に見立てて優先して利用し、日が落ちるなど太陽光の出力が低下し、一定以下の電圧になった場合、非常用ガス発電機が自動的に稼働し、電源が太陽光からガス発電機に切り替わるようにした。