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講演するRosa氏
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がん腫瘍だけを光らせる技術も

 (1)のsystem architectureについては、2つのアイデアを紹介した。第1に、患者が横たわる寝台を可動式にすること。術中に寝台の角度を変え、患者の体の向きを自由に変えられるようにすることで、鉗子操作の自由度を高める。第2に、現在は複数に分かれている鉗子を1本にまとめ、体内に鉗子を挿入してから複数のアームが分岐する構造にすることで、侵襲度を下げる。

 (2)のadvanced instrumentationでは、鉗子にさまざまなセンサーを搭載する構想を示した。一例が、触覚を伝えるハプティクス型センサーである。例えば、切開部を手術用ホチキス(ステープラー)で閉じる場合に、どの程度の硬さで閉じられたかを、術者が触覚で感じとれるようなフィードバック機構を採り入れる。術者が触覚を感じられないことは、ダビンチの大きな欠点とされてきた。各種のセンサーのコストが下がってきたことで、こうした技術が「経済的にも見合うようになってきた」。

 (3)のvision and imagingについても豊富なアイデアを示した。まず、術者が見る映像の解像度は「現在はHD(2K)だが、いずれは4Kを取り込んでいく」。特殊薬剤と赤外光などを組み合わせることで、がん腫瘍やその周辺リンパ節など、重要部位だけを光らせる技術も紹介した。手術前に画像診断装置などで撮影した画像を手術部位に重畳する、拡張現実(AR)も有用と見る。これらを通じ、術者に「より多くの情報を与えられるようになる」。