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粘り強い議論からアイデアが出てくる

 この質問に対し、春田氏は次のように答えた。「基本的に我々がやることは、ユーザー目線で『こうやったらいい』『こういう形のものがあったらいい』という気付きを与えること。遺伝子解析サービスもそうだが、最初は一緒にやっている東京大学医科学研究所の方々に『ゲーム会社に何ができる』と言われた。しかし、それは想定内。専門家に対して、『とはいえ、こんなことができるのではないか?』といった形で粘り強く議論するところからアイデアが出てきて、全く違う形のモノが現れるようになった」。

 窪田氏が研究者、臨床医、経営者といった多彩なキャリアを歩んできた(関連記事)のと同様、春田氏も大手銀行から創業間もないDeNAに飛び込んだという経歴を持つ。その大胆なキャリアチェンジについて興味を持つ聴衆が多かったようで、二人に対しては「人生のターニングポイントについて考えていることは?」といった質問も寄せられた。

 「車のギアチェンジと同じで、そのときは非常に不安定になる。しかし結局のところ『死ぬことはない』と考えている。多少回り道をしたとしても、またそこから戻ってこられると思いながらチャレンジをしてきている」(窪田氏)。

 「(2015年)6月にDeNAを去る予定で、日本でまた新しいことを始めたいと考えている。私の場合は転機というより、もともと好奇心が強いこともあり“新しいことをしたい”という思いがある。だが、その時点で携わっている仕事、与えられた責任とのバランスを考えながら、外に飛び出すかどうかを判断していく」(春田氏)。

 質問に答える中で、2人のキャラクターの違いも見られた。例えば「一歩を踏み出すための勇気には何が必要か?」との質問には「リスクテイクを徐々に大きくしていって、最悪の結果のときのプランBを考えておく」(窪田氏)、「突き詰めて言えばお金の問題。その問題をどのように処理するかが大事」(春田氏)といった具合である。窪田氏は冒険者でありながらも理詰めで考えるタイプ、春田氏はその話しぶりも含め、泰然自若といった形容がよく似合う。

 一方で、最後の「一緒に働きたい人は?」という質問に対しては「信頼できる人」(窪田氏)、「真面目に仕事に取り組む人」(春田氏)と回答。異なるフィールドで活躍するリーダーであっても、求める人物像は同じなのだと感じさせる瞬間でもあった。