欧米の金融機関から「ゴールド・グレード」のバンカビリティ
――「海外のパネルメーカーは、日本市場が縮小したら撤退してしまい、アフターサポートが疎かになるのでは」と不安を持つ太陽光発電事業者もいます。
高CEO 太陽光パネルの市場でシェアを獲得するためには、3つ要素が必要だと思っています。顧客に価値をもたらすこと、高い品質の製品であること、そして、高いサービスを提供することです。もちろんサービスには納入後のカスタマーケアを含みます。出荷量に比べれば不良品の数は決して多くありませんが、仮に不具合のあるパネルがあっても、すぐに交換できる体制を整えています。昨年、世界シェアトップになったのは、この3つを評価されたからだと思います。
欧州の太陽光パネル市場はここ数年、縮小していますが、アフターサポートは低下させていません。2004年にパネルを販売した欧州企業とは、いまでも取引が続いています。カスタマーケアを通じて信頼関係を築いてきたことが、評価につながっています。アフターサービスに関し、日本企業も心配しないでほしいと思います。
――日本でメガソーラー事業のプロジェクトファイナンスを組成する場合、金融機関の評価で最も高いのが日本メーカー、次が韓国メーカーで、中国メーカー製パネルのバンカビリティ(融資適格性)は低いのが実情です。
高CEO そうした傾向があるのは事実です。しかし、徐々に変わってきたと感じています。日本の金融機関は、当初ほど海外メーカーに厳しくなくなってきました。バンカビリティの評価を高めるため、金融機関に対し、製品品質だけでなく、財務が健全であることなども説明してきました。トリナ・ソーラーは米国で株式を上場しており、財務諸表は公開しています。
実際、ドイツなど欧州や米国の金融機関は、トリナ・ソーラーの太陽光パネルを「ゴールド・グレード」(バンカビリティ評価の最上位)のリストに入れています。日本の金融機関も、こうした海外金融機関の評価を見れば、安心できるはずです。