両面ガラスのトップメーカーに
――現在の主要事業である太陽光パネルの製造・販売では、どんなビジネス戦略を立てていますか。
高CEO 従来型のパネルに加え、高付加価値型のパネルを強化していきます。具体的には、両面にガラスを採用した「フレームレス両面ガラスモジュール・DUOMAX」と、パネルごとの発電量を把握できる「トリナスマート」です。
「両面ガラスモジュール」は、パネルの裏側に、従来の樹脂製バックシートではなくガラスを使います(図1)。表のカバーガラスと裏のガラスで太陽電池セル(発電素子)を挟む形になります。樹脂(有機)材料は、長期的に劣化の問題がありますが、無機材料であるガラスにはそうした心配がなく、パネルの寿命が長くなる利点があります。塩害や積雪など環境条件の厳しい立地や火災の心配のある屋根上などにも向くと思います。顧客の評判は良く、販売は伸びています。両面ガラスタイプのパネルは、複数のメーカーが製品化していますが、トリナ・ソーラーの販売量が最も多いと思います。
「トリナスマート」は、あらかじめパネルに「オプティマイザー」と呼ぶ制御デバイスを装着しておきます。パネルを設置する際、オプティマイザーをストリング(直列接続するパネル群)回路に組み込むことで、パネルごとの発電量を把握し、可視化(見える化)できます(図2)。加えて、パネルに鳥の糞が付いたり、影がかかったりしたような場合でも、それによる出力低下の影響を抑えられます。
――メガソーラー向けにも、こうした高付加価値型のパネルが採用されていますか。
高CEO トリナスマートは屋根上への設置が中心ですが、両面ガラスはメガソーラーでも採用され始めています。中国では出力30MWのメガソーラーに両面ガラスを納入したケースもあります。