沈殿池の建屋上に太陽光パネルを敷き詰める

 2014年3月に稼働した「こうべWエコ発電プロジェクト」は大阪ガスの100%子会社であるエナジーバンクジャパン(大阪市中央区、以下EBJ)と神戸市の共同事業だ。EBJは、顧客が初期投資を行わず、再生可能エネルギーを利用した発電設備を設置できるサービスを提供している。今回のプロジェクトは、EBJが資金調達から発電設備の設置・運営などを行い、神戸市は事業用地の提供、メタンガスの供給などを担う。固定価格買取制度(FIT)に基づく売電契約はEBJが締結し、EBJが売電により得た収益から神戸市へ売電量に応じた対価を支払う(図2)。

図2●エナジーバンクジャパン(EBJ)と神戸市の共同事業のスキーム(出所:エナジーバンクジャパン)
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 垂水処理場には、3つの処理系統があり、全体で1日14万m3の下水処理を行っている。芝生広場の地下にあるのは、1983年に稼働した「本場」と呼ぶ系統で、その東隣には、2011年に完成した「東系」と呼ぶ系統がある。「Wエコ発電」の主な発電設備は、東系のエリアにある。

 下水処理の大まかな流れは、以下だ。汚れ(有機物)を微生物によって分解しつつ、汚泥を沈殿させ、その上澄みを消毒して放流する。設備で大きな面積を占めるのは、「最初沈殿池」→「生物反応槽」→「最終沈殿池」という工程で、本場系統ではその装置が地下にあり、その上を芝生広場として活用している。東系では、建屋の中に沈殿池や反応槽があり、その屋上を有効活用し、約2MWのメガソーラーを設置した。

 屋上に上がると、設置角10度で、整然と並べられた7980枚の太陽光パネルが壮観だ(図3)。太陽光パネルはパナソニック製の多結晶シリコン型(245W品)、パワーコンディショナー(PCS)はダイヘン製の250kW機を6台で、定格出力1500kW(1.5MW)分を設置した。PCSの定格出力を超えるパネル容量を設置することで、日射量の少ない朝夕や曇天時にもPCSの稼働率が上がる。EPC(設計・調達・施工)サービスは日本コムシスが担当した(図4)。

図3●パナソニック製の多結晶シリコン型(245W品)を採用した(出所:日経BP)
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図4●EPC(設計・調達・施工)サービスは日本コムシスが担当(出所:日経BP)
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