14台の小型ガスエンジンを台数制御
一方、バイオガスを使ったガスエンジン・コージェネは、本場系統と東系の間にある「消化タンク」のあるエリアに設置した。消化タンクとは、沈殿池の底に溜まった汚泥を投入し、嫌気発酵させる装置だ(図5)。約40℃に加温された消化タンクでは汚泥中の有機物は分解され、消化ガスが発生する。消化ガスの成分はメタンが約6割で残りがCO2などだ。消化ガスは精製装置でメタン濃度を98%まで高め、ガスエンジン・コージェネの燃料に活用する(図6)。
ガスエンジン・コージェネは、ヤンマーエネルギーシステム製を採用した。定格出力25kWのガスエンジンを14台設置し、最大出力で350kWにした(図7)。排熱は、温水として回収し、消化タンクの加温に使う。小型ガスエンジンを多数台、導入したのは、供給されるメタンガスの量によって、稼働台数を制御することで、出力を変えるためだ。大型ガスエンジンを部分負荷で運転するより、1台1台を定格運転して台数制御した方が全体として熱効率が高くなるからという。
「Wエコ発電」で発電した電力は、FITを利用して、全量を売電している。太陽光発電は、1kWh当たり40円(税抜)、バイオマス発電は同39円(税抜)が適用されている。従って、どちらの発電システムも、処理場内の電力系統には接続しておらず、所外にある関西電力の高圧送電線(6.6kV)に直接、連系している。