散水による発電効率の低下の抑制を検証

 もう一つは、設置角を変えられる太陽光発電システムです(図5)。出力は1.25kWで、京セラ製パネル6枚で構成しています。

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図5●パネルの設置角を変えられる太陽光発電システム
手動で10度、20度、30度の三つの角度に変える(出所:左は日経BP、右は中部電気保安協会)

 太陽光パネルの傾きを、手動で10度、20度、30度の三つの角度に変えられます。設置角による発電状況の変化を検証するために使っています。

 この設置角可変型の太陽光発電システムは、自動でパネルの表面に散水するシステムを備えています(図6)。

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図6●自動でパネルの表面に散水する
(出所:日経BP)

 結晶シリコン系の太陽光パネルは、一定以上の温度になると、出力が下がることが知られています。この対策として、夏の高温時に、一定の周期で太陽光パネルの表面に散水することで、パネルの温度上昇を抑制し、その効果を検証しています。

 散水の効果は、想定に近いもので、有効なことを確認しています。ただし、水源の確保やコストが課題です。

 太陽光発電所に、こうした散水システムが導入された場合、使われる水が水道水とは限りません。井戸から汲み上げる場合もあるでしょう。井戸水の場合、水質が良くないかもしれません。また、水道水でも、消毒用のカルキと呼ばれる塩素を含んでいます。

 水質の良くない水を使った散水や、カルキによる太陽光パネル表面への影響なども、検証する必要があります。

 夏に太陽光発電システムが設置された屋上に上がると、まずミスト(微小な水滴)が降り注ぐ中を通り、涼感を得てから研修や作業に臨むようにしました(図7)。

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図7●夏はミストで涼感を得られる
隣に垂直に立てた太陽光パネルで発電した電力でミスト発生器を駆動(出所:日経BP)

 このミスト発生器は、その隣に垂直に立てた太陽光パネルで発電した電力を使って駆動させています。

(次回は4月16日に掲載予定)