将来は時間単位の出力抑制への最適対応も

沼田 さらに、詳細は明かせませんが、将来的には、電力会社による時間単位の出力抑制や、蓄電池の併設など、電力系統の安定化に寄与する技術やシステムとも最適に対応できるように進化させていきます。

 どんなサイトでも、20年間の売電期間中、発電設備のトラブルがまったく生じないということはあり得ないでしょう。大事なのは、早期に発見して対処することです。

神戸物産の沼田昭二CEO
(撮影:日経BP)

 発電を開始してから、数年、経てば、想定していた以上に太陽光パネルが劣化し、発電量が落ち込むメガソーラーが出てくることもあるでしょう。こうしたメガソーラーでは、交換した方が良いレベルまで劣化したパネルを、数万枚の中から見つけ出す仕組みがないと、すぐに把握して対応できません。

 メガソーラーの発電事業者の中には、EPC(設計・調達・施工)サービスやO&M(運用・保守)企業、太陽光パネルメーカー、パワーコンディショナー(PCS)メーカーに、対応策を求める企業も出てくるでしょう。

 その相談が、神戸物産のEPCやO&Mを担うミライト・テクノロジーズ(大阪市)や、今回の仕組みに関するミライト・テクノロジーズの提携先である、京セラソーラーコーポレーション(京都市)、東芝三菱電機産業システム(TMEIC)に持ち込まれた場合、ミライト・テクノロジーズによるO&Mの一環として提供できるようにしています。

 技術開発上の理由だけでなく、こうした展開も想定して、それぞれの分野のトップ企業と組むことが重要でした。例えば、日本のメガソーラーにおいて、PCSの6~7割のシェアをTMEICが握っています。

 ということは、予想以上に劣化したパネルを制御しているPCSはTMEIC製の可能性が高く、パネルに後付けするセンサー端末を含む遠隔監視システムと最適化しやすいからです。

 もちろん、TMEIC製以外のPCSや、京セラ製の太陽光パネル以外でも、対応できます。