逆風にもめげない「思い入れ」
――そうしたなかで、10年以上、風力発電を続けてきたのはなぜですか。
青木 ちょっとかっこいい言い方をすれば、風力発電を普及させようという理念、思い入れのようなものでしょうか。もちろん企業ですから、損をしてまで続けられませんが、それほど利益が大きくなくても、風力発電が好きだから撤退しない、という気持ちが経営者や社員にある気がします。
風力発電の業界には、複数の会社を移りながらも、風力の仕事を続けている人を多く見かけます。所属していた会社が風力から撤退した際に辞め、転職して別の会社で風力に携わっています。こうした「思い入れ」を持っている人たちが、いまの風力発電を支えているのです。
――メガソーラーでも、今後、撤退する企業が増えそうですか。
青木 メガソーラー事業は、FITによってややボーナスが出過ぎた印象もあります。船に乗り遅れるな、という雰囲気のなかで、続々と参入企業が増えました。そうした意味で、今回の接続保留の問題によって、単なる投資対象として取り組んだ企業が抜け、淘汰が進むのは良いことかもしれません。もちろん買取価格が下がっていくことは、企業にとってはマイナスです。しかし、こうした逆風に耐えていく企業によって、再エネが広まっていくのだと思います。
東光電気工事は、すでに風力発電で辛酸をなめてきた経験があるので、このくらいの逆風でメガソーラーから撤退することは、絶対にありません。風力がそうであったように、今後は、メガソーラー、太陽光発電への思い入れを持った企業によって、普及が進むのだと思います。