メンテフリーはあり得ない
――風力発電の普及が停滞した原因の1つに、設置後、予想以上に故障で止まることが多く、海外製の風力発電設備の場合、直すのに時間がかかるとも聞きます。メガソーラーでは、「メンテフリー」とも言われますが、大丈夫でしょうか。

青木 風力発電も当初、設置してしまえば、遠隔から無人で監視できるなど、「メンテフリー」だと言われました。しかし、それほど簡単でないことがわかってきました。設置後にO&M(運営・保守)の体制が十分でない風力発電と、専任の運営担当者がしっかりと見ている設備を比べると、長期的に発電量に大きな差が出てくることが明らかになっています。
確かにメガソーラーは、風車のような機械的な可動部分はありませんが、パワーコンディショナー(PCS)などは精密機械で、雷などの影響で止まることもあり、今後、定期的な検査が必要になります。決して「メンテフリー」ということはありません。
EPCサービスを手掛けた案件は、完成後もO&Mを引き受けることを基本にしています。EPCサービスは包括的な契約なため、場合によっては、稼働後に起きた不具合の責任などを求められることもあります。O&Mまで手掛けるのは、そうしたリスクを減らす面もあります。稼働状況をしっかり監視することで、不具合を早期に発見したり、防止したりできる可能性があります。