「身の丈に合っていない」ファイナンス

 出力10MW以上のメガソーラーであれば、プロジェクトファイナンスを組成する場合も多いが、融資(負債、ローン)で賄えるのは総事業費の7~8割が一般的だ。残りの3割は自己資金(エクイティ)で賄う必要がある。例えば、総事業費65億円のメガソーラープロジェクトであれば、20億円近くはスポンサーである発電事業者が資本金として用意する必要がある。しかし、売り上げ数十億円の中堅企業が、20億円もの金額を社内留保で蓄えた手元資金で賄うことは難しい。

 そんななか、田名部組は、わずか1億6000万円の自己資金で、64億9100万円のアマテラス プロジェクトを立ち上げることに成功した(図2)。まず、三井住友銀行をアレンジャー、みちのく銀行、七十七銀行をコアレンジャーとしたプロジェクトファイナンスを組成し、55億7600万円の融資を受けた。一方で、SPCの資本金は2億円。残りの7億1500万円は、NECキャピタルソリューションから、「メザニンローン」として調達した。実は、NECキャピタルソリューションからは、SPCに4000万円(出資比率20%)の出資も受けたので、田名部組の出資は1億6000万円で済んだ。

図2●「アマテラス プロジェクト・メガソーラー発電所」の完成イメージ(出所:田名部組)
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 「田名部組の企業規模で65億円ものプロジェクトを手掛けるのは、身の丈に合っていないが、最新の金融手法を駆使することで、可能になった」と、田名部社長はいう。その最新の金融手法とは、複数サイトを束ねたプロジェクトファイナンス、そして「メザニン」の活用だ。