9サイトで1つのプロファイを組成

 田名部組がこうした金融スキームにたどり着くまでには、試行錯誤があった。実は、同社は2014年5月、南部町に約2MWのメガソーラー「ソーラーパーク南部法師岡 太陽光発電所」を稼働させていた(図4)。同発電所は、南部町の所有する遊休地にメガソーラーを建設したもので、同町による公募型プロポーザルによって、田名部組と二本木油店(八戸市)による共同事業体が選定された。同発電所の建設にあたっては、田名部組80%、二本木油店20%によるSPC、田名部二本木エナジーが、みちのく銀行からABLの手法で融資を受けた。

図4●ABLで融資を受け、建設した「ソーラーパーク南部法師岡 太陽光発電所」(出所:日経BP)
[画像のクリックで拡大表示]

 田名部組は、公募案件である「ソーラーパーク南部法師岡 太陽光発電所」のほか、独自にメガソーラーの開発に乗り出し、12サイトで約22MW分の適地の確保し、設備認定の取得と、電力系統への接続にめどをつけていた。資金調達に関しては、当初、やはりABLにより、複数の地方銀行からの協調融資という形を検討していた。だが、地銀との交渉は、思うように進まず、三井住友銀行に相談する中で、複数サイトをまとめて1つの案件としてプロジェクトファイナンスを組成し、ノンバンクによるメザニンローンを組み合わせることで、田名部組の出資金を2億円程度に抑えるというスキームに行き着いた。