出力や電圧、周波数の変動の影響を排除
電力会社の電力網に連系するメガソーラーでは、大量導入に従って、電圧や周波数の変動など送電品質の維持が課題となっている。
京葉車両センターのメガソーラーは、電車の運行という、安全性・安定性が厳しく求められる用途への活用となるが、現在のところ、JR東日本の電力網へのこうした悪影響は、まったくないという。それは、二つの理由による。
一つは、電力需要に対するメガソーラーの発電電力の比率が、「算出するのが難しいくらい小さいために、電力網に影響しない」(JR東日本)ためである。
もう一つは、電車の走行に使われる送電線に、メガソーラーから直接、電力を送るのではなく、近隣の変電所で他の電力と合わせて、変圧して送っているためである。
JR東日本の電力網には、神奈川県川崎市の臨海地域にある火力発電所(川崎火力発電所)、新潟県の信濃川流域にある水力発電所(信濃川発電所)といった出力規模の大きな電源がある。これらの電源が、首都圏の鉄道に必要な電力の約6割を賄っている。
ただし、千葉近郊では、ほぼ全量を東京電力から購入して運用している。千葉県内を走る京葉線も同様である。
京葉車両センターが立地する、新習志野駅と海浜幕張駅間などの区間に送電する変電所では、東京電力の特別高圧送電網から6万6000Vで電力を購入している。
その後、変圧し、駅や信号などで使う交流の6600Vと、電車の走行に使う直流の1500Vという、2種類の送電網に電力を送る(図3)。
メガソーラーの電力は、東京電力から購入した電力と合わせてから、この2種類に変圧して使っている。