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「CCRCの実現」は目的ではない

 一方で、これから動きだす分野だけに課題もある。松田氏は「人材育成、財政への影響、事業主体連携、情報提供、これらをどうするか」と指摘し、三菱総研でまとめた政策を紹介した。具体的には、健康・コミュニティー機能を促進する政策、日本版CCCRを支える政策、日本版CCCRを加速化させる政策の3分野で考えたとする。

 「健康関連では、コミュニティーに住んでいる人が健康で、介護や自立度が改善できれば、その人の医療費や健康保険料が安くなるというようなインセンティブを導入するのはどうか。支える政策では、認証・格付け機関の創設も必要だろう。それが消費者保護、投資家保護につながり、行政の説明責任にもなる」(松田氏)。

三菱総研プラチナ社会研究センター主席研究員の松田智生氏
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 三菱総研では2014年、マーケティングも兼ねてシニア大学の立教セカンドステージ大学に学ぶアクティブシニアを連れ、高知大学と連携して地域体験の交流を図った。「現地のNPOと協力して地域の魅力を体験した。移住している若者との交流なども含め、こういった体験型プログラムを進めて、将来の移住やCCRCへのマーケティングをサポートしていきたい」(松田氏)。そして次のような言葉で報告を締めくくった。

 「CCRCは手段。どうしても“CCRCの実現”が目的化されてしまうが、それは違う。CCRCをきっかけとして、自分の生き方を振り返る、あるいは街づくりのあり方を考える、あるいは新しいビジネス、産業を考えるという手段なのだ」。