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講演する落谷氏
講演する落谷氏
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マイクロRNAが鍵握る

 その鍵を握るのは、エクソソームが内包する「マイクロRNA」と呼ばれる物質だ。20個前後の少数の塩基から成るRNA(リボ核酸)で、人間の体内には2578種類が存在する。マイクロRNAは「小さいが力持ち。1つのマイクロRNAが多くの分子を制御できる」(落谷氏)。例えば、特定のマイクロRNAをがん細胞に注入すると細胞の性質が劇的に変化することが分かっており、肝臓がんの細胞ではマイクロRNAを注入することで細胞が正常化する現象が観察されている。逆に、がん細胞が特定のマイクロRNAの機能を下げることで悪性度を増していることも明らかになってきた。

 こうした驚くべき性質から、がんのメカニズムを解明したり、それを診断・治療法の開発につなげたりするためには「マイクロRNAを重要視せざるを得ない」と落谷氏は話す。「マイクロRNAのプロファイルを見ることで、どのようながんかが分かる。マイクロRNAに起こる異常ががんの本質であり、それゆえにがん制圧に利用できる可能性がある」(同氏)。