Facebook使い方講座など「ITシニア」育成
今回のセミナーでは、デイサービスを提供するプレジデントガーデン 代表取締役の苑田譲治氏による、介護現場での業務システムの導入や要介護者のIT利用についての講演もあった。同社が運営するフィットネス型デイサービス施設の「セカンドジム竹の塚」では、ITシステムの導入により、サービス提供記録や利用状況報告書の作成業務などにかかる時間とコストを、1カ月当たり255時間(人権費50万円分)削減できたという。
システムを開発したCare Links代表の遠藤雄氏によれば、スタッフにはITスキルが乏しい人もいるため、ほぼクリックだけの操作で使えるようにしたこと、デイサービスに特化し、エクササイズ機器「レッドコード」などの文言も追加したことなどで、無理なく介護現場に導入できたという。
また、プレジデントガーデンは今後、要介護者がITを使って仕事をしたり、交流を楽しんだりすることを目指し、施設利用者にFacebookの使い方などを教える講座なども検討していくとする。「東北大学特任教授の村田裕之氏が提唱するように、加齢を人間の発達と捉える『スマートエイジング』の考え方で“ITシニア”を増やせば、さまざまな可能性が広がる」(苑田氏)。例えば、デイサービスの業務の一部を利用者が担って施設側が対価を支払うモデルや、シニア向け商品の販売・広報を要介護者が手伝うモデルなども考えられるとした。