出力2kWの太陽光パネルを屋根に設置
「ポート」と呼ぶのは、車輪付きの筐体がプラットフォームになっていて、トレーラーなどで牽引して移動できる構造にしているからだ。ポートは、「RecoPort(再生可能エネルギーポート)」と、「VeloPort(自転車駐輪用ポート)」の2タイプからなる(図2)。
「再生可能エネルギーポート」には、屋根上に化合物系CIS型太陽光パネル(660W)と小型風力発電システム(300W)を設置し、筐体の中に鉛蓄電池(20kWh)とパワーコンディショナー(PCS)を内蔵した蓄電池制御盤など再エネ電力の供給関連設備を収納している(図3)。太陽光で発電した電気は、PCSを通じていったん蓄電池に充電する。「自転車駐輪用ポート」には、屋根上に同型の太陽光パネル(1320W)を設置し、シェアリングに必要な自転車の貸し出し機を搭載している。
2つのポートは並んで設置し、「再エネポート」が再エネの電力を充電して供給し、「自転車駐輪用ポート」がその電力を電動アシスト自転車に供給するという役割分担となる。ただ、再エネポートに載せた風車と太陽光パネルだけでは、十分な電力量を得られないことから、自転車駐輪用ポートの上にも、太陽光パネルを載せ、合計容量で約2kWの太陽光パネルからの電力を再エネポートの蓄電池制御盤を通じて、蓄電池に充電する。
再エネや蓄電池を可搬式の筐体に収納したことで、災害時に避難所などに移動させ、非常用電源として携帯電話やパソコンなどに充電するといった使い方も想定している。
小型風力発電機は、再エネポートの換気扇を回す電源とし、自転車への充電には確実な発電量が見込める太陽光パネルからの電力を使うことにした。あえて小型風力発電機を導入したのは、「太陽光パネルに比べて視認性が高いこともあり、シンボル的な意味も含めて実験的に導入した」と、川重商事・環境エネルギー部1課の岡村圭介課長は話す。