接触プラグでコストと利便性を両立

 電動アシスト自転車と充電システムには、川重商事が独自開発した「蓄電池自動充電システム」を採用した(図4)。従来、電動アシスト自転車をシェアリングに使う場合、自転車利用者が着脱式の蓄電池を取り外して所定の充電器にセットする方式が多い。加えて、ここ数年、蓄電池を自転車に装着したまま、プラグなどを差し込まずに充電できる非接触型の充電システムも開発されている。

図4●川重商事が独自開発した「蓄電池自動充電システム」(出所:日経BP)
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 利用者の利便性を考えると、着脱式ではなく、自転車に装着したまま駐輪した状態で充電できることが好ましい。そこで、川重商事では、充電システムの開発に際し、まず非接触方式を検討した。だが、非接触充電はまだ最先端の開発分野でもあり、コストが高くなることがわかった。そこで、「実証終了後の商用販売も想定し、非接触方式をあきらめ、自転車に蓄電池を装着したままプラグを差し込んで充電する接触型のシステムに絞って開発を進めた」と、川重商事の岡村課長は話す。

 ただ、自転車に取り付けたプラグを、駐輪ラック(自転車置き場)側のコンセントに差し込む構造にすると、ピンポイントでうまく差し込むことが難しいことや、差し込む際の衝撃で壊れやすいなどの課題があった。そこで、コンセント側にプラグを誘導するソケットのような筒を付けるとともに、最後は磁石の力で圧着する仕組みにした(図5)。また、差し込む際の衝撃を吸収するためのスプリングも内蔵した。

図5●接触プラグ型の充電システムを採用した(出所:日経BP)
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 一方、電動アシスト自転車は、2輪車7台、3輪車1台を導入した。各自転車には5Ahの蓄電池を搭載しており、満充電で約30km連続走行できる。返却時に前輪の上に取り付けたプラグを駐輪ラック側のソケットに差し込むと、自動的に充電を始める。電動アシスト自転車のシェアリング事業に、接触プラグ方式の自動充電システムを導入したのは日本で初めてという。